note記事の文体解析

「呼吸のI/O」と「会話のふしぎ」をくらべる

この試みの目的は、編集中のテキストがお手本となるメディアの文体と
どのように近くどのように離れているのか可視化することです。

どのように解析?

文体を解析する4つの観点のデータを抽出し、数値的に近づけた場合の実例を提案しています。

データ由来の指標には、読み比べによる実感由来の判断とは違った客観性や再現性があります。
編集のヒントとしてお役立てください。

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01LSMLanguage Style Matching

言葉の使い方の類似度を、1にどれだけ近いかで表す指標です。

一例では、同じ人物の発言どうしのゆれはLSM0.95の類似度でした。

02文末表現

です・ます、体言止め、だ・である など、文を締めくくる言葉の使用比率です。

03敬語の密度

同じ文章量あたりの尊敬語・謙譲語・丁寧語の使用量を比較した値です。

04文・段落の長さ

一文・ひと段落あたりの文字数です。値が大きいほど、区切らず続けて書く傾向を示します。

現代の文章の一文の長さは平均30〜40字程度とされています。

note記事の文体解析

呼吸のI/Oで公開中の記事をお手本とし、会話のふしぎが呼吸のI/Oらしい文体かどうか分析しました。

全体を総合的に解析すると、言葉の使い方の類似度を図るLSMが0.870で、高い一致度です。

章ごとに区切って分析した場合は、ばらつきがあり
最も一致していなかったのが序章の0.730、最も一致していたのが第三章の0.865でした。

指標を基準に文体を近づける提案:

  • LSM - 終助詞を増やす調整
  • LSM - 副詞を増やす調整
  • LSM - 数量詞を増やす調整
  • 文末表現 - です・ますを減らす調整
  • 文末表現 - 終助詞止めを増やす調整
  • 文末表現 - だ・であるを増やす調整
  • 敬語の密度 - 丁寧語を減らす調整
差のある指標文字数LSM平均文末です・ます文末終助詞止め丁寧度丁寧語丁寧度謙譲語文長平均文長中央値文長90%点段落長平均段落長中央値段落長90%点
7 / 2715,5070.870+10.63-1.42+11.77+0.53-0.99-1.00-7.00-3.04-6.00+3.00
12 / 271,5830.730+9.88-2.84+2.79+3.10+5.42+9.00-6.20-0.04+4.00+13.20
8 / 272,7640.809+4.10-0.99+4.95+0.50+2.03+1.50-0.30-5.80-9.00-11.80
13 / 273,2180.845+12.97-1.08+17.71-0.13-4.74-4.00-16.40-7.91-22.50-13.00
8 / 274,4060.865+14.86-0.97+18.04+0.26-1.74-1.50-7.70+3.38-3.50+13.50
11 / 271,7770.845+8.44-1.34+7.85-0.13-4.68-2.00-18.60-6.09+1.00-13.00
11 / 271,7590.773+9.72-2.84+7.60+0.85+3.61+10.00-5.20-2.70-5.00-12.60

お手本との差が一定の基準を超えている箇所をハイライトしています。

全体は全文の集計値で、章別値の単純平均ではありません。文字数は分析に用いた抽出データの文字数です。表示は丸めています。


分析データ

カテゴリ別LSM離れている通常近い平均値0.870格助詞0.989係助詞0.965接続助詞0.990終助詞0.728助動詞0.997接続詞0.790代名詞0.981副詞0.847否定0.933数量詞0.48100.60.851
カテゴリ別の内訳
呼吸のI/Oの比率会話のふしぎの比率LSM
格助詞15.446%15.791%0.989
係助詞3.891%4.174%0.965
接続助詞4.419%4.505%0.990
終助詞0.849%0.486%0.728
助動詞9.600%9.651%0.997
接続詞0.137%0.210%0.790
代名詞1.389%1.336%0.981
副詞1.157%0.850%0.847
否定1.453%1.270%0.933
数量詞0.279%0.088%0.481

文法語は近く、終助詞・副詞・数量詞だけが少ない

平均LSMはしきい値を上回り、文法語の使い方は全体として呼吸のI/Oに近い値です。
差が出るのは終助詞・副詞・数量詞の三つで、いずれも会話のふしぎのほうが少なくなっています。
呼吸のI/Oは「でも、話し言葉の自分も書き言葉の自分も、私の一部なんだよなあ。」と終助詞で自分に語りかけ、「私はあれだ、ちょっといろいろあってコミュニティから剥がれポツンとしてるんだけど」と程度を添える語を置いて話を進めます。

会話のふしぎは「会話のルールには道徳的な強制力がはたらいており、私たちは、複数のルールを無意識に守り会話でコミュニケーションをしています。」のように、概念を述べる文で論を運びます。
語りかけの語尾も、様子や程度をやわらげる語も少ないぶん、読み口は呼吸のI/Oより整った説明の調子になっています。