| 1 | この記事は、連作の第三章です。 | 1 | この記事は、連作の第三章。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整冒頭の案内文を、です・ます止めから短い言い切りと体言止めにして、軽い書き出しにする。 副作用:冒頭だけ丁寧な語り口がやや薄れる。 |
| 2 | 何かが「かかわる」仕掛けの会話を、読み解いていきます。 | 2 | 何かが「かかわる」仕掛けの会話を、読み解いていく。 |
| 3 | | 3 | |
| 4 | ※ 参考書籍は序章、用語と概念の解説は第一章にあります。 | 4 | ※ 参考書籍は序章、用語と概念の解説は第一章にあります。 |
| 5 | | 5 | |
| |
| 40 | すみません!…いや、謝ることじゃないのに。 | 40 | すみません!…いや、謝ることじゃないのに。 |
| 41 | ごめん、じゃなくて。 | 41 | ごめん、じゃなくて。 |
| 42 | | 42 | |
| 43 | 文字に起こすと、ほとんどが先生の発話であることが目立ちます。 | 43 | 文字に起こすと、ほとんどが先生の発話であることが目立つ。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整状況の確認を言い切りにし、続く問いを「かな」とひとりごとのような終助詞で投げかける。 副作用:問いかけの丁寧さが薄れ、くだけた調子になる。 |
| 44 | では、口数の少ない編集さんは一言で何を伝えたのでしょうか?そこに、この会話の奥深さが凝縮されています。 | 44 | では、口数の少ない編集さんは一言で何を伝えたのかな?そこに、この会話の奥深さが凝縮されています。 |
| 45 | | 45 | |
| 46 | 一人語りは共同作業で成立している | 46 | 一人語りは共同作業で成立している |
| 47 | | 47 | |
| 48 | 会話で編集さんの発話は限られており、大半が先生の一人語りといえます。 | 48 | 会話で編集さんの発話は限られており、大半が先生の一人語りといえます。 |
| 49 | | 49 | |
| 50 | 一人語りの実験では、聞き手が会話へ集中していないと話し手はフィラーや沈黙が増え、自己弁明も始まる不安定化が観測されたそうです。 | 50 | 一人語りの実験では、聞き手が会話へ集中していないと話し手はフィラーや沈黙が増え、自己弁明も始まる不安定化が観測されたそうです。 |
LSM - 文法語・接続詞を調整「そして」を外し、実験の紹介から次の説明へ改行だけでつなぐ。 副作用:二つの話のつながりが、読み手の推測に任される。 |
| 51 | そして、一人語りへ影響している「聞き手の集中」とは | 51 | 一人語りへ影響している「聞き手の集中」とは |
| 52 | 偶発的な出来事への反応「随伴性」を伴うリアクションなのだそうです。 | 52 | 偶発的な出来事への反応「随伴性」を伴うリアクションなのだそうです。 |
| 53 | 随伴性の有無による、話し手の変化を検証した実験もありました。 | 53 | 随伴性の有無による、話し手の変化を検証した実験もあった。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整実験の紹介の締めを、過去形の言い切りにしてテンポよく進める。 副作用:報告の丁寧さがやや減る。 |
文末表現 - 文末・記号止めを調整再掲する先生の台詞を、行を割らず一続きにして、間を置かず話し続ける様子にする。 副作用:台詞ごとの間が詰まり、省略記号の余韻が薄れる。 |
| 54 | | 54 | |
| 55 | 散らかった話も多かったなあ…… | | |
| 56 | キャラの本音に気付いてくれた時、あれで命が入って、共感してくれる読者がふえた…… | | |
| 57 | 僕のうっかり話も笑ってくれたから、ネタに使ったし。 | 55 | 散らかった話も多かったなあ……キャラの本音に気付いてくれた時、あれで命が入って、共感してくれる読者がふえた……僕のうっかり話も笑ってくれたから、ネタに使ったし。 |
| 58 | | 56 | |
| 59 | 編集さんは選り好みなく会話へ関与し、これまでに共有した情報との関連性を積極的に考察し、話題の起伏に応じたリアクションを返す⋯⋯ | 57 | 編集さんは選り好みなく会話へ関与し、これまでに共有した情報との関連性を積極的に考察し、話題の起伏に応じたリアクションを返す⋯⋯ |
| 60 | つまり、随伴性のある聞き手であったことが分かります。 | 58 | つまり、随伴性のある聞き手であったことが分かる。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整結論を述べる文を丁寧語をやめた言い切りにして、確認の調子を短くする。 副作用:結論の丁寧さがやや減る。 |
| 61 | | 59 | |
| 62 | 勇気の出る作品にしたいんです!いっしょに育てましょう。 | 60 | 勇気の出る作品にしたいんです!いっしょに育てましょう。 |
| 63 | | 61 | |
| 64 | 先生は編集さんの関与を、作品を共同で育てた成果とみて頼っています。 | 62 | 先生は編集さんの関与を、作品を共同で育てた成果とみてすっかり頼っています。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整先生の頼りぶりに「すっかり」を添え、節の結論を「正体だ」と断定で締めて落ちをつける。 副作用:結論が断定的になり、説明の穏やかさが薄れる。 |
| 65 | この、一人語りと聞き手の関与バランスが取れている連携が | 63 | この、一人語りと聞き手の関与バランスが取れている連携が |
| 66 | 先生と編集さんが息のあった関係に見える「空気感」の正体です。 | 64 | 先生と編集さんが息のあった関係に見える「空気感」の正体だ。 |
| 67 | | 65 | |
| 68 | 自分の発信をセンシティブに管理するということ | 66 | 自分の発信をセンシティブに管理するということ |
| 69 | | 67 | |
| 70 | 先生が明言しているのは「仕事の話」ですが | 68 | 先生が明言しているのは「仕事の話」だが |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整前置きを「だが」にし、注目が知られている点に「しっかり」を添えて指摘を明確にする。 副作用:前置きの丁寧さが減り、指摘がはっきり響く。 |
| 71 | 同時に、「編集さんの話」とも解釈できる内容です。 | 69 | 同時に、「編集さんの話」とも解釈できる内容です。 |
| 72 | 間接的に、「先生は編集さんに注目している」ことがバレています。 | 70 | 間接的に、「先生は編集さんに注目している」ことがしっかりバレています。 |
| 73 | | 71 | |
| 74 | これはexpression given off(非意図的な表出)とよばれ、伝えるつもりのない情報が、振る舞いから相手に読み取られてしまう状態です。 | 72 | これはexpression given off(非意図的な表出)とよばれ、伝えるつもりのない情報が、振る舞いから相手に読み取られてしまう状態。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整用語の説明を体言止めにして、続く自問への切り替えを軽くする。 副作用:説明の丁寧さがやや減る。 |
| 75 | 自分の発信をセンシティブに管理する意識がぬるい⋯⋯ | 73 | 自分の発信をセンシティブに管理する意識がぬるい⋯⋯ |
| 76 | つまり、先生は「空気を読むのが下手な人」なんです。 | 74 | つまり、先生は「空気を読むのが下手な人」なんです。 |
| 77 | | 75 | |
| |
| 81 | | 79 | |
| 82 | p = 先生は編集さんに注目している | 80 | p = 先生は編集さんに注目している |
| 83 | | 81 | |
| 84 | 「注目している」という状態は、このふたりの「関係性」の一部です。 | 82 | 「注目している」という状態は、このふたりの「関係性」の一部にあたる。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整位置づけを「にあたる」と言い切り、「そして」を外して「すでに」で察知の先行を示す。 副作用:二文のつながりを示す語が減り、改行で区切られる。 |
| 85 | そして、編集さんは「先生が自分に注目している」と察知しています。 | 83 | 編集さんは「先生が自分に注目している」と、すでに察知しています。 |
| 86 | | 84 | |
| 87 | q = 編集さんがpを知っている | 85 | q = 編集さんがpを知っている |
| 88 | | 86 | |
| 89 | qの状態、それは、編集さんは関係性を認知しているということです。 | 87 | qの状態、それは、編集さんは関係性を認知しているということ。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整前の文を体言止めにし、編集さんの状態の締めを「だった」の断定にして落ち着かせる。 副作用:断定が強まり、説明の丁寧さが薄れる。 |
| 90 | 編集さんは、自分への注目は察知しているが先生には知らせていないので、「認知が非対称」な状態でした。 | 88 | 編集さんは、自分への注目は察知しているが先生には知らせていないので、「認知が非対称」な状態だった。 |
| 91 | | 89 | |
| 92 | 私のことをそんなに考えてくださり、ありがとうございます。 | 90 | 私のことをそんなに考えてくださり、ありがとうございます。 |
| 93 | | 91 | |
| 94 | この明言によって、qという「関係性の認知」が公共に置かれました。 | 92 | この明言によって、qという「関係性の認知」が公共に置かれ、 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整前の文を行末の読点で次へ流し、「もう」で取り返せなさを示して、問いを自問の形にする。 副作用:文が連なって息継ぎが減り、問いの丁寧さが薄れる。 |
| 95 | 約束事が成立すれば先生は、「編集さんは関係性のことをスルーしていた」と表明できなくなります。 | 93 | 約束事が成立すれば先生は、「編集さんは関係性のことをスルーしていた」と、もう表明できなくなります。 |
| 96 | 注目に気付いているということを知らせる⋯⋯?どういうことでしょうか。 | 94 | 注目に気付いているということを知らせる⋯⋯?どういうことだろうか。 |
| 97 | | 95 | |
| 98 | 「注目を知っている」と宣言している相手に対しては、注目をどう思っているだろうと想像するクッションが入りませんか? | 96 | 「注目を知っている」と宣言している相手に対しては、注目をどう思っているだろうと想像するクッションが入らないだろうか? |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整読み手への問いを、自分に問いかける「ないだろうか」にして独白に近づける。 副作用:読み手へ同意を求める丁寧さが減る。 |
| 99 | そうなると個々のプライベートで管理していたp(注目している状態)は | 97 | そうなると個々のプライベートで管理していたp(注目している状態)は |
| 100 | 相互性を伴う共同管理の対象になります。 | 98 | 相互性を伴う共同管理の対象になる。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整説明の途中を言い切りにし、結論の末尾に「ですよね」を添えて読み手へ確かめる調子にする。 副作用:末尾が親しげになり、説明の硬さが和らぐ。 |
| 101 | つまり、編集さんはqを先生へ知らせることで | 99 | つまり、編集さんはqを先生へ知らせることで |
| 102 | こちらも関係性を考える立場にあると名乗りをあげた状態です。 | 100 | こちらも関係性を考える立場にあると名乗りをあげた状態ですよね。 |
| 103 | | 101 | |
| 104 | 「注目されすぎて気恥ずかしく落ち着かないです、気付いてください。」 | 102 | 「注目されすぎて気恥ずかしく落ち着かないです、気付いてください。」 |
| 105 | 編集さんは、ついにこれを切り出したのかもしれません。 | 103 | 編集さんは、ついにこれを切り出したのかもしれません。 |
| 106 | | 104 | |
| 107 | ちがった視点で気付きをうながす | 105 | ちがった視点で気付きをうながす |
| 108 | | 106 | |
| 109 | 先生は明言していませんが、プライベートでは関係性をteamと設定していることもバレています。 | 107 | 先生は明言していないが、プライベートでは関係性をteamと設定していることもバレています。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整断りの前置きを「ないが」にして、続く指摘へ軽くつなぐ。 副作用:前置きの丁寧さがやや減る。 |
| 110 | | 108 | |
| 111 | 私のことをそんなに考えてくださり | 109 | 私のことをそんなに考えてくださり |
| 112 | | 110 | |
| |
| 115 | このように示唆したことになります。 | 113 | このように示唆したことになります。 |
| 116 | | 114 | |
| 117 | 編集さんの目的は、teamの否定ではなく、別の観点も差し込むことです。 | 115 | 編集さんの目的は、teamの否定ではなく、別の観点も差し込むことです。 |
| 118 | teamは仕事や作品への注目ですが、you and meは人間関係への注目です。 | 116 | teamは仕事や作品への注目ですね、you and meは人間関係への注目です。 |
LSM - 文法語・終助詞を調整二つの注目を並べる前半を「ですね」で受け、読み手に確かめながら対比へ進める。 副作用:対比の前置きが話しかける調子になる。 |
| 119 | | 117 | |
| 120 | 仕事や作品のつもりのようだけれど人間関係の配慮にも気付きましょう、 | 118 | 仕事や作品のつもりのようだけれど人間関係の配慮にも気付こう、 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整編集さんの含意を、呼びかけの丁寧語をやめた形で書いて、内心の声に近づける。 副作用:呼びかけの丁寧さが減り、内心の独白に聞こえる。 |
| 121 | you and me での注目に気付くと、どんな居心地か察してほしい。 | 119 | you and me での注目に気付くと、どんな居心地か察してほしい。 |
| 122 | そう含意でうながしており、 | 120 | そう含意でうながしており、 |
| 123 | 空気を読むのが下手な先生へ「どのあたりを読んでほしいか」助け舟を出しています。 | 121 | 空気を読むのが下手な先生へ「どのあたりを読んでほしいか」助け舟を出しています。 |
| 124 | | 122 | |
| 125 | 「ありがとうございます」が守っているもの | 123 | 「ありがとうございます」が守っているもの |
| 126 | | 124 | |
| 127 | 編集さんは、「注目されすぎて落ち着かないです」とは切り出しませんでした。 | 125 | 編集さんは、「注目されすぎて落ち着かないです」とは切り出さなかった。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整切り出さなかった事実を言い切りにし、続く問いを「だろうか」の自問にする。 副作用:問いかけの丁寧さが薄れ、独白に近づく。 |
| 128 | なぜ、ストレートに明言せず感謝で含みを持たせたのでしょうか。 | 126 | なぜ、ストレートに明言せず感謝で含みを持たせたのだろうか。 |
| 129 | | 127 | |
| 130 | そんなに考えてくださり、ありがとうございます。 | 128 | そんなに考えてくださり、ありがとうございます。 |
| 131 | | 129 | |
| |
| 136 | | 134 | |
| 137 | しかし、「ありがとうございます」には、動きにくい意味の「感謝」があり | 135 | しかし、「ありがとうございます」には、動きにくい意味の「感謝」があり |
| 138 | 編集さんは先生からの注目を、ありがたく受け取っている | 136 | 編集さんは先生からの注目を、ありがたく受け取っている |
| 139 | このような偏りも暗黙に付け足してしまいます。 | 137 | このような偏りも暗黙に付け足してしまう。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整感謝が付け足す含みの指摘を、言い切りにして、続く仮定の文とテンポをそろえる。 副作用:指摘の丁寧さがやや減る。 |
| 140 | 「そんなつもりはない」と応じられれば、自分が恥をかいてしまいます。 | 138 | 「そんなつもりはない」と応じられれば、自分が恥をかいてしまう。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整恥をかくリスクの指摘を言い切りにして、問いへの流れを短くする。 副作用:リスクの伝え方が硬くなる。 |
| 141 | 編集さんはなぜ、自分のpositive faceがおびやかされるリスクがあるのに感謝したのでしょうか? | 139 | 編集さんはなぜ、自分のpositive faceがおびやかされるリスクがあるのに感謝したのだろうか? |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整もう一つの問いも「だろうか」にして、自問の調子をそろえる。 副作用:問いの丁寧さがやや薄れる。 |
| 142 | | 140 | |
| 143 | 仮に、先生が関係性を肯定寄りのあいまいなものとして保持していたなら | 141 | 仮に、先生が関係性を肯定寄りのあいまいなものとして保持していたなら |
| 144 | 感謝されている前提は、肯定を返すコストを下げているとも言えます。 | 142 | 感謝されている前提は、肯定を返すコストを下げているとも言える。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整仮定を受けた帰結を、丁寧語をやめた言い切りにして短く示す。 副作用:帰結の丁寧さがやや減る。 |
| 145 | つまり、「ありがとうございます」という言葉には | 143 | つまり、「ありがとうございます」という言葉には |
| 146 | 解釈のゆれを許容した意味のうちの一つ「悪く思わないでほしい」も含まれているのです。 | 144 | 解釈のゆれを許容した意味のうちの一つ「悪く思わないでほしい」も含まれているのです。 |
| 147 | | 145 | |
| |
| 153 | | 151 | |
| 154 | 「否定の否定」が「受領」として漏れる | 152 | 「否定の否定」が「受領」として漏れる |
| 155 | | 153 | |
| 156 | 先生は、丁寧に渡してもらったので含意を受け取った顔をしています。 | 154 | 先生は、丁寧に渡してもらったので含意をちゃんと受け取った顔をしています。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整受け取りぶりに「ちゃんと」を添え、「そして」を外して、続く推測を「だろうか」の自問にする。 副作用:推測が問いの形になり、断定が弱まる。 |
| 157 | そして、自分の要領の悪さが恥ずかしくなったのでしょう。 | 155 | 自分の要領の悪さが恥ずかしくなったのだろうか。 |
| 158 | | 156 | |
| 159 | すみません!…いや、謝ることじゃないのに。 | 157 | すみません!…いや、謝ることじゃないのに。 |
| 160 | | 158 | |
| 161 | 反射的に謝罪し、即座に修正行動をとりました。 | 159 | 反射的に謝罪し、即座に修正行動をとった。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整先生の反射的な動作を、過去形の言い切りにして素早さを出す。 副作用:報告の丁寧さがやや減る。 |
| 162 | 会話では、言い間違いはまず発話者自身が即座に直すことが優先されています。これはself-initiated self-repair(自己開始自己修復)とよばれます。 | 160 | 会話では、言い間違いはまず発話者自身が即座に直すことが優先されています。これはself-initiated self-repair(自己開始自己修復)とよばれる。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整用語の紹介を「とよばれる」の言い切りにして、補足的な定義の調子を保つ。 副作用:用語紹介の丁寧さがやや減る。 |
| 163 | | 161 | |
| 164 | 先生の「すみません」は、「恐れ入ります」に近い恐縮を示す返事です。 | 162 | 先生の「すみません」は、「恐れ入ります」に近い恐縮を示す返事で、 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整返事の説明を読点で次の文へ流し、一続きの説明にする。 副作用:文の切れ目が減り、息継ぎの間が薄れる。 |
| 165 | これは、謝罪表現が感謝や厚意への返答で使われる日本人の会話傾向です。 | 163 | これは、謝罪表現が感謝や厚意への返答で使われる日本人の会話傾向です。 |
| 166 | | 164 | |
| 167 | しかし、ここで先生が「すみません」で謝罪してしまうと | 165 | しかし、ここで先生が「すみません」で謝罪してしまうと |
| |
| 169 | 「注目停止要求=警戒と拒絶」として雑に受領したとも解釈できる状況になってしまいます。 | 167 | 「注目停止要求=警戒と拒絶」として雑に受領したとも解釈できる状況になってしまいます。 |
| 170 | | 168 | |
| 171 | 「馴れ馴れしくて迷惑でしたよね。」⋯⋯こうともとれる発言をすれば、 | 169 | 「馴れ馴れしくて迷惑でしたよね。」⋯⋯こうともとれる発言をすれば、 |
| 172 | 編集さんがストレートに拒絶したかのような結論を置いてしまいますので | 170 | 編集さんがストレートに拒絶したかのような結論を置いてしまうので |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整仮定の警告を丁寧語をやめた言い切りにして、リスクの指摘を短くする。 副作用:警告の丁寧さが減り、硬い響きになる。 |
| 173 | 相手のpositive faceをおびやかすことになりかねません。 | 171 | 相手のpositive faceをおびやかすことになりかねない。 |
| 174 | | 172 | |
| 175 | 先生は、編集さんが配慮し丁寧に表現した提案を加工したくないため、 | 173 | 先生は、編集さんが配慮し丁寧に表現した提案を加工したくないため、 |
| 176 | 謝罪した自分の態度を修正したいのです。 | 174 | 謝罪した自分の態度を修正したい。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整先生の意図の説明を、「のです」をやめた短い言い切りにする。 副作用:意図を説明する丁寧さがやや減る。 |
| 177 | | 175 | |
| 178 | ごめん、じゃなくて。 | 176 | ごめん、じゃなくて。 |
| 179 | | 177 | |
| 180 | 自分の手際の悪さがもどかしくなり、更に謝罪しましたが | 178 | 自分の手際の悪さがもどかしくなり、更に謝罪し、 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整二度目の謝罪の説明を読点で次の行へ流し、修正までの動きを続けて読ませる。 副作用:二つの動作が連なり、区切りが減る。 |
| 181 | これも誤解を招くかもしれないと心配になり、とっさに修正しました。 | 179 | これも誤解を招くかもしれないと心配になり、とっさに修正しました。 |
| 182 | | 180 | |
| 183 | 立て続けに「否定を否定」する「受領」で | 181 | 立て続けに「否定を否定」する「受領」で |
| 184 | バレる形をとっていますが、提案を受け入れたい意思が伝わっています。 | 182 | バレる形をとっているが、提案を受け入れたい意思が伝わっています。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整前置きを「が」の前で「ている」にして、後半の結論へ軽くつなぐ。 副作用:前置きの丁寧さがやや減る。 |
| 185 | | 183 | |
| 186 | | 184 | |
| 187 | この会話では、共通基盤をつかって関係性と向き合わざるを得なくさせるうながしがありました。 | 185 | この会話では、共通基盤をつかって関係性と向き合わざるを得なくさせるうながしがあった。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整まとめの一文を過去形の言い切りにして、章の総括を短くする。 副作用:総括の丁寧さがやや減る。 |
| 188 | | 186 | |
| 189 | 分析すると、編集さんの「空気が読めない人と空気で会話する」絶妙なバランス感覚が見えてきました。 | 187 | 改めて分析すると、編集さんの「空気が読めない人と空気で会話する」絶妙なバランス感覚が見えてきた。 |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整「改めて」で見直す姿勢を示し、気づきを過去形の言い切りにして印象を強める。 副作用:気づきの報告が淡々とし、丁寧さが減る。 |
| 190 | そして、先生は洞察をうながすテクニックではなくexpression given off(非意図的な表出)により多くの情報を漏らしてしまっていました。これも、ある意味「空気でコミュニケーションしている」状態かもしれません。 | 188 | そして、先生は洞察をうながすテクニックではなくexpression given off(非意図的な表出)により多くの情報をつい漏らしてしまっていました。これも、ある意味「空気でコミュニケーションしている」状態かもしれません。 |
LSM - 文法語・副詞を調整意図しない漏れであることを「つい」で添え、先生の無自覚さを出す。 副作用:漏らした印象がやや軽くなる。 |
| 191 | | 189 | |
| 192 | 明言されていない空気まで見えると、違った感触になるでしょうか? | 190 | 明言されていない空気まで見えると、少し違った感触になるだろうか? |
敬語の密度 - 丁寧度・丁寧語を調整章末の問いに「少し」を添えて控えめにし、「だろうか」の自問で余韻を残す。 副作用:違いの大きさが控えめに読まれる。 |
| 193 | | 191 | |
| 194 | | 192 | |
| 195 | 会話分析をふりかえり、空気について考えてみます。 | 193 | 会話分析をふりかえり、空気について考えてみます。 |
| |